新規事業の黎明期を支えたのは、不確定な状況を共に進む「柔軟性」
ー 本日はよろしくお願いいたします。まず、金子様が担われている業務とミッションについて教えてください。
金子様: 私はヘルスサイエンス事業部の新規事業グループに所属しています。当事業部は、キリンの事業の柱であるビールや発酵バイオといったところから少し軸足をずらして、「医と食をつなぐ領域」としてヘルスサイエンス事業を推進する部署です。
金子 裕司様キリンホールディングス株式会社 ヘルスサイエンス事業部
新規事業グループ 主査
ー werollの支援サービスを導入される前、INHOPの業務はどのような体制で行われていたのでしょうか。
金行様: INHOP事業は2019年にキリンR&D発のジョイントベンチャーとして立ち上がりましたが、組織は専任メンバーと兼務メンバーが混在し、投入できるリソースは必ずしも潤沢ではありませんでした。その中でも、特にウェブマーケティングを実務レベルで主導できる人材が限られていたため、中心となる担当者を軸に、外部パートナーと連携しながら事業運営を進める体制をとっていました。
ー 導入前に抱えていた課題についてお聞かせください。
金子様: 当時の事業フェーズでは未経験領域への挑戦が多く、社内に十分な知見が蓄積されていない状況でした。 加えて、限られたリソースの中で工数やコミュニケーションコストを抑え、いかにオペレーション全体の効率を高めていくかも大きな課題です。独立した会社として費用対効果へのシビアな判断が必要になる中、外部委託の最適化については、非常に慎重な検討を重ねていました。
ー そのような状況下で、なぜwerollを選んでいただけたのでしょうか。
金子様: 立ち上げ当初は別のパートナー企業と協業していましたが、事業の進め方を見直す局面を迎え、「現状を継続するか、体制を切り替えるか」を検討することになりました。その過程で、weroll様をご紹介いただいたと記憶しています。 とりわけ創業から2年が経過した2021年頃は、次の成長フェーズへ進むために乗り越えるべき壁がいくつもあった時期です。単なる「受託者と委託者」の関係を超え、山積する課題に向き合い、共に考え実行まで伴走してくれるパートナーが不可欠でした。
ー 導入時、どのような効果を期待されていましたか?
金子様: 大きく分けて二点ありました。一つは、数値目標の達成に向けたオペレーション全般の効率化。もう一つは、その結果として、限られたリソースをよりコアな業務に集中させられる体制を構築することです。 実際の依頼範囲は、ウェブマーケティング全般に加え、ECサイトの実務運用、さらにはコールセンターとの連携業務まで多岐にわたります。一方で、オフライン領域やBtoB事業については社内で内製するなど、役割分担を明確にしたうえで進めていきました。
ー 社内での承認はスムーズでしたか?
金子様: はい。weroll様には豊富な経験を持つプロフェッショナルが在籍しており、何より「型にはまった対応」だけでなく、当時の事業フェーズや我々の置かれている状況に合わせて、柔軟に業務を推進していただける点を高く評価しました。標準的な業務を着実に遂行していただけることに加え、先行きが見えにくい部分についても、広い視点で伴走してもらえると期待し、導入を決断しました。
体制変更後の「一人運用」を可能に。業務が「良い歯車」に入ったパートナーシップの力
ー 導入後、実際にどのような効果を感じられましたか?
金子様: パートナー体制を見直すなかで、weroll様への業務移管を契機に、私自身が事業全体の窓口となる運営体制へと段階的に移行していきました。 その後、事業はキリンのヘルスサイエンス事業部へ統合され、グループのアセットをより効率的に活用できる形へと整理されましたが、weroll様にはその過程においても継続して伴走いただいています。
商品ラインアップが増え、売上が伸長していく中でも大きな混乱なく事業を回し続けることができたのは、実務面を安定して支えていただいたweroll様の存在があってこそだと感じています。
また、プロジェクト内の変化という点でも効果は顕著です。以前は委託先との連携において現場で違和感や課題が生じることもありましたが、体制変更後はそうした声が目に見えて減りました。業務の流れが整理され、「歯車が噛み合った」ことで組織全体の雰囲気も前向きになり、事業に集中できる環境づくりに貢献いただいたと考えています。
ー INHOP事業の推進体制がジョイントベンチャーからヘルスサイエンス事業部に変わった際のお話をお聞かせください。
金子様: INHOP事業の推進にフルコミットしていたのは、私と出向メンバーを含む数名でしたが、組織変更に伴い、組織変更の過渡期において、事業運営の実務責任を私に集約した体制へと移行しました。 結果として、ジョイントベンチャー時代と同等の事業規模を、限られた体制の中で推進する必要が生じ、個人のリソースだけでは対応しきれない状況でした。
そうした状況下でも、品質やスピードを落とすことなく事業を継続できたのは、一定の裁量を持って安心して任せられる形で、weroll様と連携できたことが大きかったと感じています。
私自身はマーケティングの専門家ではありませんが、「ここを変更したい」「もう少し伝わる表現にしたい」といった抽象度の高い要望に対しても、weroll様は意図を汲み取り、事業全体を前に進める形で実務に落とし込んでくれました。 私の関与を最小限に抑えながらもサービス品質を維持し、事業を継続的に推進できたのは、間違いなくweroll様の支援があってこそだと思います。一人で同じ体制を維持することは、現実的ではありませんでした。
「YoKIRIN」など次なる挑戦へ。共通言語があるからこそ実現できるスピード感
ー INHOPでの信頼関係を経て、現在は「YoKIRIN(ヨキリン)※」などの新規事業も支援させていただいています。
※YoKIRIN:アニメファンとアニメ制作会社を対象とした会員制Webサービス。2024年春にスタートした新規事業。
これまでとは異なる新しい事業ですが、ここでもwerollをご活用いただいている理由をお聞かせください。金子様: INHOP事業をリードしながら、他の新規事業が立ち上がるたびにパートナーを開拓し関係構築を行うのは、時間的にもコスト的にも大きな負荷となります。一方で、事業内容が変わっても、運営フローや実務には共通化できる領域が少なくありません。
その点、weroll様はINHOPでの協業を通じて当社の考え方や要求水準を理解されており、他の協業先との連携基盤もすでに構築済みです。そうした背景から、YoKIRINをはじめとする新規事業においても、継続的に関わっていただいています。
ー 長くお付き合いさせていただいているからこそのメリットですね。
金子様: その通りだと思います。要件が固まりきっていない段階の相談や、他パートナーとの複雑な連携調整が必要な案件であっても、背景や前提を共有したうえでスムーズに対応いただける点は、非常に大きな助けです。
現在は事業フェーズに応じて柔軟に関わっていただいていますが、今後事業が拡大すれば、より高度な支援が求められる局面も増えてくるはずです。その意味で、weroll様にはさらに力を発揮していただける余地があると感じています。
ー 日々の業務では、どのような関わり方をされていますか?
金子様: 現在は、次の新規案件の企画についても相談中です。立ち上げフェーズでは業務をあらかじめ明確に切り分けることが難しく、状況に応じたスポット的な依頼が中心となることも少なくありません。
そうした中でも、weroll様は「最終的にお客様にどのような価値を届けたいのか」という事業全体の視点を理解し、目の前の実務を確実に遂行してくださいます。単なる作業の切り出しではなく、次のフェーズへの接続も意識し、「ワンチーム」の感覚で一緒に進められる点に安心感があります。
「受発注」の関係を超えて。フェーズごとに最適化するこれからのパートナーシップ
ー werollのサービス導入は、金子様個人にとってどのような意味がありましたか?
金子様: INHOP事業においては、業務負荷の軽減と「一人でも回せる運用体制」を構築できたことが大きな成果です。またYoKIRINでは、weroll様の知見を活かした支援に加え、これまの関係性があるからこその業務効率化につながっていると感じています。
私は技術・研究畑の出身で、ウェブマーケティングについては専門外の領域も多くありますが、weroll様からは理論にとどまらず、実務に即した提案を数多くいただきました。 例えば、メールアプローチの設計や業務整理、ステップメールの導入など。提案を通じて「なぜそう考えるのか」という背景まで理解を深めることができ、個人としても大きな学びになっています。
ー 定性的な変化として、他に感じられることはありますか?
金子様: 繰り返しになりますが、実務運営における「手離れ」が良くなり、本来注力すべき企画や意思決定に時間を割けるようになったのは大きな変化です。
INHOP事業の移管と同時並行で、別プロジェクトである「エレキソルト」のローンチフェーズにも関与していました。 非常に重要なタイミングで同プロジェクトにコミットできたのは、日々の実務をweroll様に任せ、安定的に回せる体制があったからこそです。
また、チームメンバーからも「業務の進め方が整理され、効率が改善されている」との声が上がっています。個人の負荷軽減にとどまらず、事業全体の組織化・仕組み化の土台づくりにもつながっている手応えがあります。
ー プロジェクトを振り返って、当時のご自身に声をかけるとしたら?
金子様: 一般的に「業務委託先」というと、「この業務を、この範囲でお願いする」という関係を思い浮かべる方も多いと思います。 ですが、weroll様とはそうした枠を超え、事業の一部を担う対等なパートナーとして連携体制そのものを共に設計し、前に進むことができました。
もし当時の自分に声をかけられるとしたら、「もっと早い段階からweroll様を巻き込み、頼っていい」と伝えたいですね。そうしていれば、事業の立ち上げや意思決定のスピードを、さらに一段引き上げられたはずです。
ー 最後に、今後の展望や期待についてお聞かせください。
金子様: 現在取り組んでいるYoKIRINをはじめとする新規事業は、まだトライアル色の強いフェーズにあり、進め方が定まっていない不確実な業務も多く存在します。そのため、現時点では定型業務として切り出しきれず、十分に連携できていない領域があるのも事実です。
一方で、そうした未整理な領域こそ、今後の事業成長には重要だと考えています。事業フェーズが進む中で連携の幅をさらに広げ、より深いパートナーシップを築いていけることに強く期待しています。
