"稀少種"のエンジニアを探す採用の壁と、属人化していくナレッジ
ー 本日はよろしくお願いいたします。まず、皆様が担っている業務とミッションについて教えてください。
神山様:私たちの部署では、デジタルマーケティングにおける戦略立案から施策実行までを提供しています。そのなかで私は、Salesforce Marketing Cloud(以下、SMC)などのマーケティングオートメーション(以下、MA)ツールの導入から、導入後の運用、パーソナライゼーションまで、一貫して携わらせていただいています。細かくは2つの課に分かれて運営しているのですが、東京の部隊と福岡にも拠点があるという体制で、二拠点で連携して業務にあたっています。
神山 直子様トランスコスモス株式会社 CX事業統括 DI事業本部
マーケティングイノベーション統括部 エクスペリエンスプラットフォーム部2課 課長
ー 弊社のエンジニアリング支援を導入される前、MAツール等のクライアント向け開発や運用業務は、どのような体制で行われていましたか?
神山様:実は、立ち上げ当時は開発の専門部隊というのは存在していませんでした。もともとは、LINEのAPI連携プラットフォームを扱う部署内でわずか6名からスタートしたものでした。 そこから非常に多くのお引き合いをいただくようになりまして、当初は中途採用でなんとか人員をまかなっていたのですが、次第にそれでは追いつかなくなりました。さらに、お客様から求められる技術の水準もどんどん高度になっていき、自社リソースだけでは限界を感じ、外部のベンダーさんにお願いをして体制を拡大していったという経緯になります。
ー 当時は、どのような課題がございましたか?
神山様:主に、SMCを実装する技術的な知見が不足していたことが大きな課題でした。弊社のメンバーは、半分以上が新卒で入社して、キャリアを伸ばしている最中の20代のメンバーでしたので、高度な要求に追いつけるベテラン層が少なかったんです。本来であれば、中途採用で経験のある方でまかなえられれば良かったのですが、なかなかそうもいかず、非常に苦労していた部分になります。
ー そもそもエンジニア市場において、SMCの導入実績がある方は極めて稀だと聞いています。
神山様:そうですね。「SMCの導入経験がある」という項目は、非常にハードルの高い採用条件でした。エンジニアの目線で言えば、純粋なエンジニア力を伸ばせる方向に行きたいと考える方が当然多いでしょうから、マーケティング寄りなSMCをやりたいと思うエンジニアさんは、マッチングの面でも少ないのかなと感じています。
ー リソースの確保以外に、ナレッジ共有の不足という課題もあったと伺いました。
神山様:当時は、本当にナレッジがない状態で走り出していましたから、全て自分たちで検証し、検証した結果がそのままナレッジになっていくという状況でした。業務に必死で書き留める余裕すらなく、一人ひとりの頭の中にだけナレッジが溜まってしまっている、という状況でした。
ー 個々の社員さまのスキルに依存せざるを得ないなかで、捌かないといけない案件数も膨大だったと伺っています。
神山様:あるプロジェクトの立ち上げでは、形式上は一つのプロジェクトですが、実際には作らなければならない成果物、MAで言う「シナリオ」と呼ばれるキャンペーンが30〜40個もありました。それをわずか数か月という短期間で作り上げるのは、非常に大変な作業です。加えて、大規模案件の提案機会などは急に降ってきます。もちろん提案自体は張り切りたいのですが、一気に20人規模の体制が必要になるプロジェクトのコンペに参加する際などは「取れちゃったらどうしよう」と思うこともありました(笑)。本当に受注できた場合の、体制構築の可否というプレッシャーは常にありますね。 ありがたいことに実際に受注できたケースもあって、ナレッジの乏しい領域の提案が通ったときは、本当にどうしようかと思いました。
要件定義から大量実装まで。フェーズに合わせて機能する「柔軟なエンジニアリング体制」
ー 弊社のエンジニアリング支援へ期待していた効果は、どのようなものでしたでしょうか?
神山様:弊社側になんとなくのSMCの知見はあっても、技術力が足りない部分がありましたので、そこを補完し合える関係性を構築できる方のご提案です。 また、お客様から求められる技術レベルも高くなってきていたので、「品質をどう安定させるか」「納期をどうきっちり守るか」がより重要になっていました。そこで、プロジェクト推進・技術面をリードするエンジニアとしてのジョインも期待していました。
ー 最終的に弊社をお選びいただいた決め手や、弊社のどのような点が高評価となったのか教えていただけますでしょうか。
神山様:最初は、複数のベンダーさんにお声がけをしていたので、「ご紹介いただき、良い方と面談ができれば次へ進む」というスピード重視の動きでしたから、正直に言えば「どの会社さんか」は重要視していませんでした。ただ、案件が進んでくると、werollのご担当者さまがとにかくスピーディーにエンジニアさんを紹介してくださる。そして何より良かったのは、こちらの意図をうまく拾ってくださって、要望とご紹介いただく方のスキルに「ズレ」がなく、プロジェクトに即戦力として参画いただけたことです。私自身がエンジニア出身ではないため、候補者の方々の中で、どの方のスキルが今回の条件に合うのか、うまく捉えきれない部分がありました。しかし、werollのご担当者さまはもともとエンジニア出身で、他の会社と比べても必要なスキルの方をピンポイントでご紹介いただけることが非常に多かった。面談に同席させていただいた際も、貴社ご担当者さまが質問される内容を聞きながら「こういう技術があるといいんだな」と、私たち自身も理解を深めていくことができました。
ー 弊社の対応で「パートナーとして頼りになる」と感じた瞬間があれば教えていただけますか?
神山様:とある大手クライアント様の案件だったのですが、通常の企業様と進め方が異なり、プロセスの一つひとつを非常に細かく進めていく必要がありました。ドキュメントについても、誰が見ても分かるような言葉で正確に記録していかなければなりません。そこに入っていただいた貴社のエンジニアの方が、プロジェクト推進と技術面の整理を担ってくださり、本当に細かな作業をきっちりこなしてくださる方で、まさに適任でした。無事に納品まで行けたのは、御社のおかげだと思っています。
ー ほか、人材のご提案に関してご評価いただいたポイントがあれば教えてください。
神山様:主力商材がMAツールであるという点が大きいかもしれませんが、通常のツール導入の案件だと、クライアント様の情報システム部門などの方とやり取りが多くなるところ、SMCではマーケティング部門の方々と相対することになります。そうなると、こちらの専門用語が向こうに伝わりづらかったり、逆に先方からのご要望はマーケティングよりの言葉で返ってきたりします。どうお互いに理解しロジックに落とし込むかが課題だったのですが、マーケティングの知見や双方の専門言語をうまく翻訳する高いコミュニケーション能力を持った方をご紹介いただき、とても助かりました。
ー 密なコミュニケーションが必須となる案件が多いなかで、管理側のリソースもかなり必要だったのではないでしょうか。
神山様:大型案件や技術力が必要なものは、やはり決してスムーズなものばかりではありません。業務量が膨らんで残業が増え、メンバーのメンタルケアが必要になる場面もありました。 私たちも心がけて接するようにしてはいますが、見えない部分で不満を抱えてしまうこともあります。werollのご担当者さまはそこにうまく入っていただき、「本人に直接確認してみます」と、何度も話し合いの時間を設けて丁寧に対応してくださった。そうした積み重ねでなんとか乗り切ってきました。
提案・営業機会の創出。外部パートナー活用がもたらしたコア業務へのリソース
ー 弊社のエンジニアリング支援をご導入いただいた効果として、実感できたことはありますか?
神山様:専門スキルの補完や特化型の人材採用以外には、社員がコア業務に専念できるようになったという変化は大きいです。弊社の特性上、サービス側が営業面も担わなければならない部分もあり、企画・拡大戦略を考えるという業務も持っています。個々に貯まっていたナレッジも、組織が大きくなるにつれて教育のために体系化しなければなりません。werollのご担当者さまにプロジェクトを推進していただいているおかげで、統括責任者が別の営業活動や提案業務にしっかり時間を割くことができています。これは確かな変化ですね。
ー 数字で表せない効果として、どのような変化がありましたか?
神山様:定性的な成果としては、管理層の精神的な負担軽減とメンバーのモチベーション向上が見られました。自分たちだけでは解決できないことも、werollのご担当者さまに相談すれば解決できるという安心感があります。「こういう技術さえあれば、新しいこともできるんだ」と視野が広がり、提案部隊の意欲も高まっています。今後はSMC以外のツールも扱っていくことになりますが、経験のあるパートナーさんに相談できると思えば、それを新しいサービスとして取り入れる勇気も湧いてきます。社内でもお互いに声をかけ合ったり、お菓子を買ってきて場を和ませたり、飲み会をセットしたりと、コミュニケーションが活性化しました。おかげでプロジェクト内の雰囲気もぐっと良くなったと感じています。
ー 2025年6月の「Partner Award 2024」におきまして、弊社をBronze Partnerとして初表彰いただきましたこと、心より感謝申し上げます。改めて、弊社サービスやエンジニア対応のどのような点をご評価いただけたのか伺えますでしょうか?
神山様:受賞に至ったのは、取引金額や採用されたエンジニアさんの人数などの指標もありましたが、私からは「親身に相談に乗ってくれる、ケアが行き届いた会社」としてweroll様を重点的に推させていただきました。 特に全社的にも注目されていた、とある官公庁様の案件を一緒にやり遂げてくださったこと、それだけの大きな期待に応えてくれたパートナーであるという点が、社内でも高く評価される結果となりました。
ー 弊社サービス導入プロジェクトを振り返って、もしタイムマシンで当時の自分にアドバイスを送るとしたら、どのような言葉をかけますか?
神山様:当時は自分たちの限られたリソース、スキルでの対応に限界を感じていました。早めに外部の専門家を巻き込むという初期段階での投資が、後々のリスク低減と案件の処理スピード、売上拡大に大きく寄与するということを、当時の自分に言ってあげたいです。
ー 最後に、部門の運営や弊社サービス利用について、ご展望・弊社への期待などあればお聞かせください。
神山様:今後は、SMC以外のツールも扱うようになり、かつより高度なパーソナライズやリアルタイム連携のニーズが増えると見込んでおります。貴社にはさらに専門性の高いエンジニアの継続的なご提供、および共同でのソリューション提案強化を期待しています。MAツールを活用して、お客様の売上を伸ばしていく。そのために、どうサービスを拡大していくのかを、一緒に取り組んでいきたいです。ナレッジの共有や、業務の合間に挟む簡易ツールの開発など、weroll様と共に新しい領域にチャレンジしていければと思っています。
